韓国発のシェアード・ユニバース
本作の原作者・尹仁完は、韓国のウェブトゥーン(フルカラー・縦読みマンガ)制作会社「YLAB」の創設者。その「YLAB」が推進しているプロジェクトの一つが、統一世界観による「スーパーストリング」である。「スーパーストリング」は、独立した複数のウェブトゥーン作品が、同じ世界観(ユニバース)を共有する「シェアード・ユニバース」で、映画、ドラマ、ゲームなどのジャンルにも拡大している。本作では『アイランド』『JUNGLE JUICE』『復活する男』といった人気作品の主人公たちが一堂に会する点が最大の特徴となっている。また、「週刊少年サンデー」と「LINEマンガ」のコラボ企画であり、従来のマンガとフルカラー・縦読みのウェブトゥーンという、フォーマットの異なるメディアでの同時連載は、業界初の試みである。
カルト宗教集団「白百教」
本作の世界には100の次元が存在する。カルト宗教集団「白百教」の目的は、100の次元を一つにして白紙に戻し「空」の世界を創ること。人生に不幸はつきものだが、宇宙が存在する前の「0」の状態(「空」の世界)に戻せば、皆が苦痛のない永遠の安らぎを得ることができるというのが、「白百教」の教理である。数年前から徐々に木星が地球に近づいており、木星の重力によって地球の滅亡が目前に迫っているが、じつは「白百教」が引き起こした人災である。このように、「白百教」は他の次元にある地球を次々と滅亡に追いやっている。
人類を救うために集まった超人集団
地球の滅亡が迫る中、大韓グループの会長ウォン・ミホは、超弦理論(スーパーストリング理論)を利用して人類を別の次元に移住させる計画を立てる。同時に超人的な能力を持った人間たちを、さまざまな次元から召集。「スーパーストリング」を創設して「白百教」に対抗する。ウォンは、ある預言書に記述されているマルコ・ポーロが人類を救う鍵となると確信し、次元を超えて彼を呼び寄せた。一方マルコは「白百教」に弟妹を人質に取られ、理由もわからず複数の次元を移動する間に覚醒する。超人的な力を手に入れ、ウォンに協力を要請されるが、マルコの望みはただ一つ、家族を救うことだけだった。
登場人物・キャラクター
マルコ・ポーロ
13世紀頃、イタリアの港町ベネチアに住んでいた少年。丸メガネとツンツンヘアーが特徴で、フライパンを背負っている。王家の後継者争いに首を突っ込んでしまい、父・ニッコロと母を王家に殺され、弟二人と妹を養うため、がむしゃらに働く。船のデッキ掃除係として航海していた途中、難破してアジア大陸に上陸。かつて自分が助けた猛獣・月香(ウォルヒャン)と再会したことをきっかけに、現代の東京に次元移動。表参道の聖堂で巨大な剣を手に入れた後、超人的な力に目覚めた。なお、マルコをはじめとするポーロ家の兄弟は、王家の使節団だったニッコロが、任地で引き取った戦災孤児であり、血はつながっていない。同名の歴史上の人物をモチーフにしている。
月香 (うぉるひゃん)
アジア大陸のある国の領主に飼われていた闘士。長髪と尖った耳が特徴の美少女。鋭い爪や牙を持つ黒い猛獣の姿に変身できる。まだ幼い頃、イタリアの王家のペットとして飼われていたが、親が第1王子殺害の犯人に仕立て上げられ、殺されてしまう。一緒に殺されそうになっていたところをマルコ・ポーロに救われ、船に乗せられてふるさとのアジアに戻った。以来、強くなるために闘技場で戦い続け、敗者の血を飲み続けた。マルコと再会を果たした後は、彼をご主人様と慕い、守り抜くことを誓う。
ウォン・ミホ
韓国の大財閥・大韓グループの会長。超人団体「スーパーストリング」のリーダーでもある。コードネームは「ミス・ウォン」。黒のロングヘアーと左目の下のホクロが特徴の美女で、知力、財力、権力、名誉のすべてを手中にしているお嬢様。地球を滅亡に導く「白百教」と戦い、人類を別次元に移住させようとしている。
クレジット
- 原作
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尹 仁完
- 企画
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YLAB
書誌情報
スーパーストリング -異世界見聞録- 4巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2023-08-18発行、 978-4098526666)
第2巻
(2023-10-18発行、 978-4098528820)
第3巻
(2024-01-18発行、 978-4098531370)
第4巻
(2024-04-17発行、 978-4098532162)